1位作品:Where Flows Weave into Circulation

1位作品:Where Flows Weave into Circulation

私たちの提案は、「建築は再生的であるべきだ」という前提から始まります。その実現に向けて、ベオグラードに存在する三つの相互に関わり合う流れ――「マテリアル」「エコシステム」「社会」に着目しました。本計画は、それらが交差する地点から立ち上がります。
都市に蓄積された素材は新たな建築へと循環し、水や生態系は人々の活動とともに時間をかけて変化・発展していきます。そしてスポーツは、多様なコミュニティが空間や時間を共有し、主体的に関わり合うための媒介として機能します。私たちはこれらの関係性を丁寧に読み取りながら、ささやかながら一つの提案としてまとめました。

京都工芸繊維大学・大学院修士前期課程 工芸科学研究科 建築学専攻 内山 佳歩
京都工芸繊維大学・大学院修士前期課程 工芸科学研究科 建築学専攻 齋藤 大成
京都工芸繊維大学・大学院修士前期課程 工芸科学研究科 建築学専攻 矢野 絢子

指導教員:京都工芸繊維大学            
          教授 菅 健太郎

 

講評(若林審査員長)

美しいプレゼンテーションの中に、地球環境への取り組みをこの街から地域・社会へ広めようとする想いと、動植物の保護や水の循環などの自然環境への想いがバランスよくまとめられた案である。

アスリートの宿泊棟やジム棟などを分棟で配置し、地表を動植物の領域として守るために建物を浮かせる発想と佇まいが素晴らしく、また、分棟を有機的に結ぶサイクリングロードデッキも地表から浮かせ、その一端は対岸のヨットクラブを、もう一端は複合施設や商業施設エリアを結び、多くの市民がここに集い賑わう姿が想像できた。既存のヨットクラブには大きな改修を施さず、隣接して勾配屋根を持つヨットのストックヤードを増築して伸びやかなシルエットとヨットを見下ろす仕掛けをつくっている。ただ、アクセスするブリッジは、その下にヨットが通るには低く、跳ね上げ式との説明はあったものの現実性が低いように思えた。 
一方で、乾式工法を徹底し、建築材料のリサイクル手法「マテリアルパスポート」により、単なる新築ではなく、街の廃材がこのエリアで生まれ変わり、ゆくゆくは街に帰り、新たな建物へと循環するストーリーに大いに共感が持てた。 
これらの想いが世界に伝わることを楽しみにしている。