ノルグライド

耐摩耗特性を有するPTFE層へ、高い耐荷重性能を有する金属メッシュを埋め込んだベアリング材料です。ノルグライド材料の中では、もっとも柔軟性が高い材料となっており、幅広い用途で使用されています。また、高いサイジング性能は、すべての公差レンジで圧入設計となる“ガタゼロ設計” を実現し、さらに、シャフト圧入時にも、スムーズで低いトルクを発生させます。

ノルグライドM はノルグライドMP とバックメタルを積層したものです。ノルグライドMP の利点であるサイジング性能やシャフト圧入に対する低トルク性能は保ちつつ、耐荷重性能を強化しています。

ノルグライドSM は、ノルグライドMP と同じサイジング性能、ノルグライドM に近い耐荷重性能を持ちながら、メッシュがストレッチドメタルに置き換わったことで、優れたコストパフォーマンスを発揮します。

ノルグライドSMTL は、ノルグライドSM の発展形です。ノルグライドSM とは対照的に、ブロンズ・ストレッチドメタルはあらかじめ圧延されてバネ性を意図的に低くしたものが用いられており、またPTFE樹脂層も薄いものを採用しています。厚い樹脂層を用いてのクリアランスやミスアライメントの吸収性能は低くなりましたが、非常に高い面圧に耐えることができ、高面圧下でも変形量が少ないという特徴があります。

ノルグライドT は、PTFE層とバックメタルを持つ二層構造の材料です。ノルグライドT は、PTFE 層を塑性変形させるという厳密な意味でのサイジングには適しませんが、その代わりにブッシュ取りつけ後にマシニング加工を行うことができます。また、取りつけ時の微細な変形や肉厚成長を補正すること(キャリブレーション)が可能です。

ノルグライドHPPRO は表層にPEEK樹脂層を有し、その下層にはブロンズのハニカム構造を持つ鋼板を使用しています。PEEK樹脂層は微小なハニカム構造の凹部に充填され、使用されます。このブロンズ隔壁を利用することで、ノルグライドPRO はノルグライドシリーズのなかで最高の許容面圧特性をもっています。

PTFEは多くの用途に使用することができる特徴がありますが、PTFEをそのまま置き換えられる素材は存在しません。そこで、用途毎に最適化された専用PFASフリー材料を開発しました。自動車外装用途向けのPFASフリー材料は、特徴的なパープルカラーで容易に識別でき、従来の製品に近い性能と高い信頼性を有しています。また、二酸化炭素排出量を最大40%削減、最大80%のリサイクル材の使用が可能です。

裏金にステンレススチール、アルミニウム、アルミクラッド鋼を使用したノルグライドは、様々なシリーズで使用されており、通常の裏金グレードと比較してきわめて優れた耐食性を有し、メッキ等の後加工が必要ない高耐腐食性ベアリングです。