2位作品:BELGRADE 2.5
「Belgrade 2.5」は、3つの時間のレイヤーを重ね合わせることで、新たな都市の風景の可能性を探ろうとする試みです。手がかりとしたのは、レペンスキ・ヴィールに見られる歴史的な知恵(Past 1.0)、現在のサヴァ川ウォーターフロント(Present 1.0)、そして未来に向けたビジョン(Future 0.5)です。
古代の集落から着想を得ながら、分散配置されたアスリート宿泊施設やエコロジーを学ぶ拠点、さらに都市インフラと自然環境をつなぐ橋のあり方について、検討を重ねてきました。なお、本提案には仮説的な側面も含まれますが、これらの要素を通して、歴史・自然・日常の営みがゆるやかに重なり合う環境のかたちを示すことを目指しています。
芝浦工業大学・理工学研究科 建築学専攻 内田 竜太朗
芝浦工業大学・理工学研究科 建築学専攻 柳瀬 奏人
芝浦工業大学・理工学研究科 建築学専攻 孫 道衡
指導教員:芝浦工業大学 システム理工学部 環境システム学科
教授 松下 希和
講評(掛上審査員)
ベオグラードの過去から未来へをテーマに、原始的住居であるレペンスキーヴィルを引用し、人と自然と動物が共生する自然の中に配された集落のような建築群を提案された。建物間を移動する際の景観の変化が楽しく、扇形平面と三角屋根が印象的で、自然と調和したデザインに好感が持てた。
建物の断熱・日射制御・ダブルスキンによる換気・遮音計画・LCAなど、省エネ・快適性も良く検討されており、ZONEBヨットクラブの再生では、3Dプリントで倉庫を増築、3階の一部を減築しデッキを設け対岸とブリッジで連結、吹抜により視覚的につながりをもたせるなど合理性を感じる提案であった。
一方で宿泊施設の平面計画においてスペースを使いきれていない点や、天井が高くスケールアウト気味な点は気になった。3Dプリント工法の採用は、積層されたコンクリートの表情や省力化のメリットは理解できたが、環境面でのメリットは理解しにくかった。
LCAに関しては宿泊棟とブリッジで実施され、木造化・軽量化など削減を反映した点を評価した。見せ方については改善の余地があり、ベースラインからの削減を表現できると納得感が高まり尚良かった。
公開審査では1位と同点まで迫り、決選投票で残念ながら2位となったが、存在感ある秀作である。